【脂肪種手術入院2日目】とうとう来た全身麻酔手術!しかしそれは思った以上にあっけなかった

脂肪種の手術

手術当日の朝4:30くらいから落ちつかず、何度もトイレに行く。
7時からは水も飲めないので、水を何度も飲み、トイレにも何度も行く。
(手術中に漏らさないように)

テレビを観たり、Xで全身麻酔を検索したりしながら、何度もシミュレーションする。
もう、全身麻酔で検索することだけが安心の拠り所になっている。

廊下からは「だれか~」と叫ぶ老婆の声が響き渡る。
7時までの時間も落ち着かず、ベッドに座らず室内を歩き回る。
そうこうしているうちに6時を回ったので、手術着に着替える。

ガウンのような感じで、パンツのみの体に羽織る。
紐がどことどこをとめるのが正解かよく分からなかった。
指先に穴の開いたピチピチの靴下も履く。

朝7時過ぎ、看護師さんが来て点滴開始。
ずいぶんと長い針で、腕を動かすと痛い。
前回の入院の時もそうだったけど、点滴が一番ストレスがかかる。
トイレに行く時もとにかく邪魔でしょうがない。

体温と血圧も測る。血圧は150と高かった。
ほぼ寝ていないのと緊張のためだと思われる。
頭は寝不足でぼーっとする。

8時50分くらいに手術室に向かうとのことで、あと50分待ってる間も「全身麻酔、術後、覚める」などで検索しまくる。
術後の吐き気や嘔吐、激痛などが目立ち、あまり良い気分はしないものの、この時点で身を任せるしかないと悟る。

8時55分に看護師に付き添われて、手術室へ向かう。

初めての全身麻酔手術はあっけなかった

手術室へ向かうには、売店などに向かう一般のエレベーターとは別のエレベーターで地下へ向かう。
ついに来たかと少し恐怖を感じる。
看護師さんが何か話かけてくれるかと思ったら、エレベーター内でも終始沈黙。
看護師さんにとってみたら、これは日常茶飯事なのだろう。

地下に着き手術室の自動ドアが開く。
踊り場のようなところには、ベッドに乗せられた老人と、同じく点滴棒を持った女性がいる。
これから手術をする同志がいることに少し安堵を覚える。

そして、2番の部屋へと案内され手術室へ。
手術室に入ると、麻酔など各担当の方が4人くらいいて、挨拶されるも緊張のあまり頭に入ってこない。
全員かなり若く、申し訳ないが少し不安になった。

手術にあたり、腕につけたバンドのタグを読み込むも、何度もエラーになり、別の手術をされるのではないかとここでもまた別の不安が沸きあがる。

無事にバーコードを読み込んで、氏名と生年月日、手術の内容を聞かれ、緊張のあまり手術名を答える時に声が少し震える。
後から先生も登場し、もう逃げられないと覚悟する。
何回か診察してもらい、話をした先生にこれから身体を切られるのかと思うと、不思議な気分がした。

点滴をした左手だけを伸ばして手術台に横になる。
酸素マスクをやんわりと口に当てられると、少し冷たい酸素が流れてくるのを感じる。
口をぴったりと覆うのではなく、あくまでも被せる程度だったので、そこまで強制感はなかった。

だんだん眠くなりますよと言われ、左腕から麻酔薬を投入されると、少し揺れるような感覚が出てくる。ついに始まったという緊張で、バクバクしていた鼓動がより早くなり、少し息苦しいような感覚が出てくる。

酸素マスクが触れている鼻が痒いので「鼻掻いていいですか?」などのやり取りをして、おそらく20秒くらいは揺れるような感覚があったと記憶している。
そして、あるところからブツっと記憶がとぶ。

次の瞬間、もう声をかけられて目を覚ますとすべては終わっていた。

「〇〇さん終わりましたよー」と言われて、「あ、そっか」と感じて起きた。
感覚としては、酒を飲んでソファーで寝てしまい、妻に「寝ちゃってるよ!」と声をかけられて起きた時の感覚。

視界と意識ははっきりしており、こちらを覗き込む看護師さんの顔もはっきりと見える。
執刀した先生に「取った脂肪腫見ますか?」と聞かれケースに入った脂肪腫をみる。
そこには、大きめの白コロホルモンのような脂肪種があった。
やはりかなり大きかった。
これが自分の体に入っていたのか、と思うと何ともいえない気分になる。

心配していた取り残しはなく、すべてきれいに摘出できたようで安心した。
脂肪種の写真ってもらえますか?と聞いたが、先生が少し困ったリアクションをしていたので、申し出を撤回した。

もうひとつの心配である「脂肪種が良性かどうか」について聞くと、「たぶん大丈夫でしょう」みたいな感じだった。
万が一悪性だった場合のことも聞いたけど、先生も困った感じの回答で、それ以上食い下がって聞くのはやめた。

背中に金属の板を敷いて、隣のベッドに移動する。
そしてベッドに寝たまま、病室へ運ばれる。
YouTubeで見ていた全身麻酔後の様子だと、壁などが揺れて意識朦朧としている、という感覚はまったくなかった。

視界もパッキリ、意識もハッキリしていた。

病室へ戻るも懸念していた副作用はなかった

病室へ付き、2時間は安静にして飲み物なども飲んではいけないと伝えられる。
スマホと漫画を看護師さんにとってもらい、母親と妻にLINEをする。
時刻は11時過ぎ、予定通り手術は1時間半程度で終了したことになる。

よく寝て起きた感覚で、吐き気などは一切なく気分は悪くない。
全身麻酔中に呼吸を助ける管を器官に通されるそうで、その管を抜く際に喉が傷つき痛くなる、という情報を良くみかけたが、それもほとんどない。
唾を飲み込むと、何か入っていたな、という感覚は少しあるけど、痛いというものではない。

心配していた傷口もまったく痛くない。

<全身麻酔手術で気になっていたこと>
・尿道カテーテル:1時間半程度の手術なのでなし
・麻酔が覚めた後の吐き気など:一切なし
・器官の管を抜いた時の喉の痛み:違和感はほんの少しあるが、痛みは全くなし

総じてネットやYouTubeで見たような副作用は、自分には一切なかった。
やはりネットで調べると、ネガティブな情報しか出てこない。
しかし、ネガティブな情報を頭に埋め込んであったから、結果が好転していたと言えるだろう。
全然大丈夫、と思って受けたら、想定外に気分悪かったよりはましだ。

まだ少し眠い感覚があるが、漫画とスマホ見ながら過ごす。
身体が少し熱く、看護師さんに体温を測ってもらったら、37.2℃くらい熱が出ていた。
血圧はいつもよりずいぶんと低く109だった。

看護師さん曰く、手術をしたから身体が色々と戦っているとのこと。
漫画でも読もうかと思ったが、時間差で少し眠気が来たので、スマホを見て過ごす。
眠気というかだるさはあるものの、手術が終わった後の高揚感もあり、寝付けなかった。

点滴が外れ晴れて全身麻酔手術の呪縛から解き放たれる

13時10分くらいに、ベッドを少し起こされ、水が飲めるか確認される。
紙コップに注がれた冷水をゆっくりと飲み込むと、いつもより少し飲み込む力が弱い気がした。
水が飲み込めることを確認してもらい、点滴と鼻の酸素が外される。

ベッドから立ち上がり、その場で足踏みをして問題ないかも確認。
少しふらつくが歩行に問題なし。
手術着から持参したタンクトップに着替え、漫画やスマホを見て過ごす。

15時くらいになっても、まだ少しふらつくし、少し眠かった。
執刀した先生が来て、術後の様子などを少し話す。
傷口を丸めたガーゼでしばらく圧迫する必要があり、脂肪腫が入っていた空間を埋める処置が必要とのこと。

空間に血液や体液が溜まらないよう、ドレーンというチューブが入っており、明日ドレーンを抜いて傷口に問題なければ、予定より早く、明後日には退院できるらしい。
とにかく暇なので、早く退院できるのに越したことはない。

定期的に看護師さんが、血圧と体温を測りに来て、夕方くらいには血圧が139くらいまで上がっていた。体温はまだ37℃台。

頭はふわっとするが、歩行に問題はないので、売店に行ったりして暇をつぶす。
17時30分、夕飯が届く。
今日はチキンカツ。朝と昼を抜いていたが、さほど腹は減っていない。

夕飯はチキンカツ

この日のメニューは以下の通り。

・チキンカツ
・青梗菜(ちんげんさい)の和え物
・ゼリー
・米200g

チキンカツは安いお弁当に入っていそうな感じで、可もなく不可もなく。
無難に美味しいが、ちょっとソースが足りなかった。
青梗菜の和え物は、そこそこ味が付いており、これでご飯を食べる。
少し足りないが美味しくいただいた。

しばし漫画を読んで時間を潰し、閉店前の売店でサンドイッチを購入。
コンビニのサンドイッチに比べてパンがパサパサだった。
ここにいると、暇潰しに食べてしまい、太りそうな気がした。

少しだけ仕事のリモート対応をし、LINEで母親や妻と電話をする。
妻が同じ病院で同じ時間くらいの手術をしたのだが、その時は全身麻酔の影響で、終日ぼーっとしてLINEするのがやっとだったらしい。
同じ全身麻酔でもこうも違うのか。
麻酔医に話を聞くと、僕は普通の人よりは落ちるまでの時間が長かったとのこと。
大腸内視鏡の時も麻酔が全然効かなかったので、そういう体質なのだろう。

今日こそは寝ようと思ったが、病院のベッドはなかなか寝にくく、老婆の「だれか~」という声が今夜も気になってほとんど眠れなかった。

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